どうだ?茄子どうだ?

どうだ?茄子どうだ?

カウンターの向こう側から、中華鍋をあおる小気味よい金属音が鳴り止むと同時に、白い湯気をまとった皿が滑り込んできた。

ぎんぎんに熱された油をたっぷりと吸い込み、艶やかな濃い紫を保ったままの乱切り茄子。甘辛い味噌の香ばしい匂いが立ち上り、鼻腔をこれでもかと刺激してくる。

傍らには、こんがりときつね色の焼き目がついた餃子が一皿、そして湯気をあげる玄米ごはん。「3割うまい!!」の看板に偽りなし、と胃袋が早くも歓声をあげていた。

箸先で一番大ぶりな茄子をつまみ上げ、息を吹きかけてから口へ放り込む。

噛んだ瞬間、じゅわりと溢れ出した。

野菜の水分と豚肉の脂、そして味噌だれのコクが渾然一体となって舌の上で爆発する。

熱い。

だが、その熱さこそが調味料だ。

火傷しそうな口内を冷ますように、間髪入れず玄米ごはんをかきこむ。

ぷちぷちとした米の食感に、濃厚な味噌の旨味が絡みつく。

「正解だ」

小さく声が漏れた。ダブル餃子定食やチャーハンに傾きかけた直前の迷いは、完全に消し去られていた。

味噌炒めの合間に挟む焼き餃子は、言わずもがな名脇役にして主役級の存在感を放つ。もっちりとした自家製の皮を噛み破れば、キャベツの甘みと豚肉のジューシーさが口いっぱいに広がる。

酢コショウでさっぱりと流し込み、再び茄子の濃厚な世界へとダイブする。ピーマンの苦味と玉ねぎのシャキシャキとした甘みが、茄子のとろけるような柔らかさを際立たせて飽きさせない。

一心不乱に箸を動かし、最後の一切れとなった茄子で皿の底に残ったタレを拭うようにすくい、ごはんに乗せて平らげる。

スープを飲み干して一息つくと、午後の仕事に向けた重苦しい気怠さは綺麗さっぱり消え失せていた。満ち足りた腹をさすりながら席を立つ。

冷たい秋風が吹き抜ける外の通りへ一歩踏み出した瞬間、身体の芯から確かな熱が湧き上がってくるのを感じていた。

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